共同研究の紹介

Since Oct 26, 1999.
Last updated on: Oct 23, 2004.
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國學院大學日本文化研究所の専任プロジェクト 「情報化と宗教に関する研究―Computer-Mediated Communication を中心に―」 (1998年4月〜2001年3月、予定) および、 電気通信普及財団の助成研究「コンピュータ・ネットワークの普及と宗教的行為の変容に関する調査研究」(1998年4月〜2000年3月) を紹介します。



メンバー

代表研究者
黒崎浩行
共同研究者
葛西賢太
川島堅二
田村貴紀
深水顕真

研究計画 (抜粋)

「情報化と宗教に関する研究―Computer-Mediated Communication を中心に―」

(平成11年度研究計画書より)

1. 研究の目的

現代日本の宗教をとらえるとき、加速度的な情報技術の発達・情報環境の拡大と、 それに伴う社会構造やメンタリティの変化を考慮せずにはいかない。 そのさい、情報化が既存の宗教の教義・儀礼・組織にもたらす影響とともに、 情報空間における新たな宗教性の創出にも注目する必要がある。 この分野に関しては、マスメディアの発達と宗教との関わりについてのものが 先行研究の主流を占めてきたが、 本研究では特に、インターネットに代表されるような、コンピュータを介した 相互的なコミュニケーション (Computer-Mediated Communication: 以下 CMC と略) が急速に普及していることに着目する。 この新たなコミュニケーション空間における宗教活動の実際を把握し、 近年の社会心理学における CMC へのアプローチなども踏まえつつ、 宗教学としての研究視角を開拓することを目的とする。

2. 研究の概要

  1. 各宗教教団における CMC への取り組みの実際を把握する。
  2. インターネット上の宗教活動について、特に米国の場合と比 較しつつ調査記録の蓄積および資料収集を行う。
  3. 外部に所属する同分野の研究者との研究情報交換。

「コンピュータ・ネットワークの普及と宗教的行為の変容に関する調査研究」

(平成10年度申込書より)

研究調査の方法・概要

1. 宗教的ウェブサイトおよび利用者情報収集の継続、アンケート調査の継続

宗教的ウェブサイト (宗教団体による公式ホームページから個人運営のニューエイジ運動、心理療法関連サイトに至るまで)は消長が激しく、傾向の変動を把握するには一貫した分類基準・調査項目を設けて継続的な調査を遂行することが必要である。すでに、宗教的ウェブサイトを定期的に検索・ダウンロードし、網羅的かつ時系列的に内容分析を行う作業、ウェブサイト主催者に対して電子メールでアンケートを取り、その回答をデータベース化して集計を行う作業は進展している。一方、PC上でウェブサーバーを運用し、宗教ホームページを包括的に登録した「宗教関連ホームページリンク集」を設けて一般に開放した。これは成果の公表という意味だけでなく、サーバーへのアクセスとリンクの利用頻度をモニターし、どのような宗教情報が求められているか、宗教情報の利用の嗜好にどのような傾向が見られるか、こうした、これまで軽視されていた情報利用者側の統計的なデータを採取する目的がある。

2. コンピュータ・ネットワーク上の宗教的行為についてのインテンシヴな調査

宗教的コミュニケーションを活発に行っているパソコン通信フォーラム、メーリングリストなどにたいして参与観察を行う。なお、ネットワーク外部の学習会などの参与観察が非常に有意義であることがわかってきた。

3. 面接調査

コンピュータ・ネットワーク上で活発な活動を繰り広げている宗教者に対してインタビューし、コンピュータ・ネットワークと宗教とのかかわりかたや、それがもたらした変化について分析する。これは単なる意識調査ではなく、これによって、宗教のインターネット利用がネット外の現実の宗教構造すらも十分に変動させつつあること(浄土真宗寡占状態を揺らがすインターネット宗教の例など)を指摘する。

コンピュータ・ネットワークのメディア論的分析研究を行う場合、従来その調査方法の難しさから、対象は情報の発信者に限られてきたが、1のように独自のサーバーを設定し情報の利用者の動向を逐次把握することで、新たに情報利用者のデータを獲得している。この一種の「視聴率調査」は、いくつかの困難は予想されるものの、これまでにない画期的な成果が予想されている。

ウェブサイトを巡る状況は多様で、それらは1の大数原則に基づく調査だけではおさえることができない。また、傾向のばらつきまではおさえられても、個々のばらつきの意味について十分に知ることはできないだろう。3は、1との関係上、大数原則から漏れる要素(少なくないと見積もられる)を拾うことを意図してもいる。

以上のように、本研究そのものは、従前の社会調査と対比して、際だって新しい方法を採るわけではない。しかし、従来の研究はともすれば一般的な傾向の指摘にとどまりがちであったのに対し、対象領域を宗教に絞り、宗教調査に固有の方法論を活かすこと、すなわち、個々の教団の個別性や相違を自覚し、外部社会との関わりの上での構造的な変化をとらえ、信徒の個人的心性や相互行為の内部に至る深い知見を得ようとすることにより、より具体的な内容に踏み込んだものとなろう。


研究成果

要約や全文がオンラインで閲覧可能なものにはリンクを張りました。

報告書

総論的なもの

宗教関連ウェブサイトの収集・分析によるもの

オンラインでの宗教行為の参与観察によるもの

コンピュータ・ネットワークを利用する宗教関係者への面接調査によるもの


メンバーによる過去の研究成果

このテーマに関連があるもののみを挙げる。


関連ウェブサイトへのリンク


Hiroyuki KUROSAKI <hkuro@kokugakuin.ac.jp>